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2008.04.23

第3話
名のある大学を卒業し、大手企業に勤務の40才代の再婚の男性が、相談に見えました。
彼は親が勧めた女性と結婚をし、それなりにうまくいっていると思っていましたが、結婚して2ヶ月が経った頃、奥様のほうから一方的に離婚話が出てきたそうです。
自分のどこが悪いのか、どうしてほしかったのかを聞いても、「私が悪いの」の一点ばかりで、何が何だかわからないけれど、結局は離婚することになったそうです。
彼は一時、人を信じられなくなったようです。当然心に深い傷を負ったのですが、それでも、このまま一生独身を通すつもりはなく、改めて結婚に向けてがんばっていこうと決意をしたようでした。
彼の条件はまあまあ良いほうでしたし、穏やかな優しい人柄が写真に出てましたので、すぐお見合いになりました。
その後も何回かお見合いにはなったのですが、お話が上手な方ではなく、女性からは、話が弾まないとか、そばにいて楽しくないとかの理由でいつもお断りされておりました。
それでも彼は前向きに挑戦し、今度は、都内に住んでいるある女性とお見合いをすることになりました。お見合いの時、お互いに心惹かれるものがあったのでしょう、二人は交際となり約3ヶ月間順調に
デートを重ね、結婚の意志を固めたようでした。
それから数日経ったある日、私の所に「お話があるのでお伺いしたいのですが?」という彼の連絡に胸さわぎを覚えながらその日を迎えました。
彼からは正式な結婚の報告があり、ほっとしたところ、続けてこんな話もありました。
「実は前にもお話したように、私の結婚生活は2ヶ月という短い期間でした。元妻からは申し訳ないという意味も含めて、婚約指輪と結婚指輪を返してくれました。私にとっては今更返して頂いてもと思ったのですが、元妻にとっても不要になったものを置いておく訳にもいかないだろうし、といって捨てる訳にもいかず、そのままここにあるのですが」と、すばらしい輝きのある指輪を見せてくれました。
そして「私にとっては給料の数倍する高価な指輪なので、この指輪をこれから結婚する彼女に贈るというのはどうなのでしょうか?」という相談でした。
そんな話を今まで聞いたこともないし、これから結婚する女性に対して失礼な話だと思いましたが、彼も悩んだ末の相談でしょうから、思いつくまま話しました。
今までの指輪を換金して、そのお金で新しい指輪を贈るという方法と、指輪のデザインを替えて贈るという方法と、彼女には悪いけれど、黙ってその指輪を贈る、こんな方法しか考えられませんでしたが、彼は「参考にさせてください。よく考えて自分で結論を出します」と言って帰られました。
それから改めて二人が挨拶にいらした時、彼女の指を見て、びっくりしました。彼が以前私に見せてくれたそのままの指輪を彼女が指にはめているではありませんか。私は口には出しませんでしたが、彼は彼女のために買ったと嘘を言って、指輪を贈ったのだと思いましたが、、
次の話で私の方が恥ずべき人間だと思いました。
なんと彼は今までのいきさつを彼女に誠実にすべてを話し、彼女は彼の辛い過去のすべてを受け入れ、元妻が返してくれた指輪を喜んで受け取ったというのです。
お互いに、にこにこしながら私のびっくりしている顔をのぞき込んでいる様子に、お互いに信頼で結ばれている強い愛を感じました。
この2人からは形ではない素敵なプレゼントを頂きました。
まもなく結婚式の写真を送っていただきましたが、すばらしい場所で、大勢の方に祝福されている様子は、二人にとっても私にとっても生涯忘れることはないでしょう!

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