いつの時代も、多くの方に
「パートナーのいる幸せ」
を知ってもらいたい。

（聞き手／川口輝美）

NNR　荒井先生がこのお仕事を始められた23年前は、まだ「結婚相談所」の認知度も低く、少し胡散臭いという印象を持たれる方も多かった頃ですよね。その世界に、当時としては珍しい30代で先生が飛び込んだきっかけを教えて下さい。

荒井先生　学校卒業後は国家公務員になりましたがドレスコーディネーターになりたくて転職をしました。元々イベントなどの企画をする事が好きでしたので、中心になってよく動いていました。私自身が結婚が早かったこともあり。職場で恋愛や結婚の相談を受ける様になって、それが婚活イベントを企画するキッカケにもなりました。皆の喜んでいる姿を見ると、こちらも嬉しくなるし、力が湧いてくるんです。好きなんですね。そういうことが。そんな事を積み重ねているううちに　“もっと多くの方の幸せのお手伝いができたら”という思いが強くなり、結婚相談所を始めようと決心しました。

NNR　副業ではなく、お仕事を辞めて結婚相談所を始める事に抵抗はありませんでしたか？

荒井先生　周りは心配しましたけど、私は不思議と不安はありませんでした。人が好きなんですね！当時の仲人の先輩方の間では私が一番年下で皆さんに可愛がっていただきました。色々と相談にものってもらいとても心強かったです。この仕事を選んで本当に良かったと思っています。

NNR　当時の集客はまだアナログだったと思いますが、まずは何からはじめましたか？

荒井先生　あの頃の集客は、新聞広告、タウン誌、折込チラシ、ポスティング、クチコミ、ご紹介が主でした。結婚相談所も少なく、まだ抵抗があった時代でしたが、広告を出すとすぐにお問合せが殺到して、食事中でも常に電話は手放せませんでしたね。毎日忙しく動いていましたが、とても充実していました。今はデジタル化で便利になりましたが、人の心を動かすのにはアナログも必要だと思っています。

NNR　最初に入会された会員様は覚えていらっしゃいますか？

荒井先生　一番最初の会員様は親友でした（笑）
しかも、入会から半年で成婚も第一号だったんです！おかげで一連の仕事の流れを練習させてもらいました。その友人は今でも幸せに暮らしています。

NNR　ご入会からお世話までで、今と当時の違いはありますか？

荒井先生　会員様からいただく料金の設定が変わってきたと思います。当時はお相手が決まってからお支払いいただくという成功報酬型の相談所が多かったのですが、今は先行投資型の相談所も増えました。成功報酬型と先行投資型、それぞれにメリット・デメリットはあると思いますが、私は時代が変わっても会員様が安心して活動できる様に、成功報酬型という理念は変わりません。
また婚活に対する価値観も大きく変わってきました。以前は、ご入会からご成婚までが皆さん割と早かったんです。人生において結婚することが当たり前の時代でしたし、ＳＮＳなどがなく、様々な情報に惑わされることがなく判断も出来たのだと思います。それも７～８年で大きく変わりましたね。今はＳＮＳの普及で仲人がいない婚活サイトやアプリなど手軽に婚活できる様にもなりましたが、選択肢が多すぎて何を選べば良いのかわからず、自分の力だけだとなかなか結婚につながらないという方も多いはずです。
そして、条件を譲らない、結婚に対する覚悟が出来ていない方もいらっしゃるので、まずは結婚に対する不安などを吐き出してもらい、少しづつ整理しながらお世話をするようにしています。

NNR　最近の集客方法を教えて下さい。

荒井先生　業者さんにお願いしてホームページを作ったこともありますが、自分が思ったような成果が上がらず、一風変わったホームページを作ろうと思い、現在は自作のものを公開しています。また地元のタウン誌にも定期的に広告を出していて、イベントパーティの告知などもしています。
私の場合は、成婚された会員様からのご紹介が多く、その繋がりから、とある企業の社員の方を長年に渡りご紹介いただいています。必ずご成婚になることから信頼してくださって、会員様がお見合いや交際に入ると周りが協力してくれて仕事より婚活を優先にしてくれるんです（笑）　会員様にとって活動しやすい場を作っていただけるのは有難いことです。

NNR　やはり集客は今も昔もご紹介が一番効果的なんですね。会員様のお世話の仕方も以前と変わりましたか？

荒井先生　変わりました。結婚相手に求めるものが時代によって変わって来たと思います。男女とも共働きを希望される方が増えて、夫婦が対等に協力できる関係性を重要視する傾向が強くなったと思います。相手を見極める事も重要ですが、結婚は「相手が自分を選んでくれなければ成立しない。」ですから、お世話の初期段階として「初対面で嫌われない方法」をアドバイスしています。
定期的なカウンセリングの時には相手の心理を研究したり、お見合いや交際の時のイメージトレーニングもしています。また、お相手から理由なくお断りされた場合でも、会員様は理由が知りたいので、私が日頃思っていても直接注意出来ないことをお相手から言われた様にアドバイスすることもあります。
お断りの理由としては「会話が弾まない」「価値観や性格が違う」などが多いですが、本当の理由は別にあったりします。
相性の問題もあるので気にしなくて良い場合もありますが、もう少し深掘りすることで次のステップに進むためのヒントになればと思っています。

NNR　お客様から入会のお問合わせがあった後の面談からクロージングまでを教えていただけますか？

荒井先生　お客様のお相手に対する条件を聞いて、妥協できる部分と絶対にできない部分を確認します。稀ではありますが、条件によってはお世話が難しいと思う場合もあり、その時は正直にその旨を話します。クロージングといってもその場で無理に入会を勧める事はしないです。納得して活動していただきたいので、一度お帰りいただいて、よく考える様にご案内しています。但し、お問い合わせの段階で既に入会を決めていらっしゃる方には当日対応させていただきます。またパーティの企画もしていて、婚活に興味のあるお客様向けにお見合いパーティを勧めています。人数は10対10くらいのアットホームなお見合いパーティで、ゲームやクイズを出してグループごとに競い合うと盛り上がって、すぐに打ち解けてマッチングも出やすくなります。婚活の敷居を低くすることで、もっともっと身近に感じていただけたらと思っています。

NNR　23年の長い間のお世話の中で、特に印象深かった会員様を教えて下さい。

荒井先生　印象に残っている会員様はたくさんいますが、52歳でご入会された男性会員様が12年活動して64歳で成婚になった時には、二人で嬉し泣きしてしまいました。 12年もお世話しているといつの間にか家族みたいな感覚になって、泣いたり笑ったり、時には喧嘩したり。
本当に色々ありましたが、最後の最後に私が選んでご紹介した方と成婚が決まった時には感慨もひとしおでした。「継続は力なり」で、今までの時間と経験は決して無駄ではなかったと実感しましたね。自分の好みの方と、自分の合う方とは違うと気づいた時にご縁がつながる気がします。

NNR　荒井先生にとって難しい会員様とはどんな方ですか？

荒井先生　難しい会員様の中で多いのは、「条件がたくさんあり過ぎてストライクゾーンが狭い」方や「なかなか人を好きになれない」方ですね。
共通して言えるのは、自分の価値観に囚われ過ぎたり、減点方式で相手を見てしまう事で求めるものが多くなりがちです。自分に自信が持てない人も「自分はこういう相手でなければ幸せになれない」と思い込んでしまい、結局それを補うために相手に求める要素が多くなるというスパイラルです。もっと視野を広げてもらうように、偏見を無くして、これだけは！という本当に譲れない条件は何かを一緒に考えたり、出会った人の良い所を見るようにアドバイスしています。それにはもっと自分を大事にし、好きになることも必要で、私は会員様には注意するより良いところを見つけて褒めるようにしています。
もっと長所を伸ばすことで短所が目立たなくなり、それが良い結果に繋がると思うのです。
会員様には「自分を変えられるのは自分しかいない！」と日々念仏のように唱えています（笑）

NNR　先生は身上書交換会を主催されていらっしゃいますが、毎回大盛況ですね！

荒井先生　残念ながら今はこんな状況ですので、リアル開催は難しいのですが、コロナ以前は常に50名様以上の相談室の方にご参加いただいていました。気になったお勧め会員様の詳細を直接仲人の方に伺えるので、話が早くてお見合いになりやすい！また、交換会では仲人さんからお悩みを受ける事も多いんです。会員様のために日々奮闘されているのが伝わってきますね。内容は様々ですが、その中でどこの団体がお勧めかきかれる事もあり、そんな時はアットホームで一番好きなＮＮＲをお勧めしています。

NNR　ありがとうございます！励みになります（笑）
最後に、先生の目標を教えて下さい。

荒井先生　もちろん、これからも相談業は続けていきたいです。そして結婚する・しないを選べる時代になりましたが、「パートナーがいる幸せ」をできるだけ多くの方に実感してほしいと願っています。そのためにも、多くのご成婚を生み出すことを目標に、日々会員様と向き合ってサポートしていきたいと思います。